こんなきもちでいたんだよ。
オレのふた回りも三回りもある某バンドのアニキが配管の面倒みてくれてる筈だったんだよ。
オレ、完全に頼ってたの。
ところが、野方商店街の血の掟、「夜間のバタバタ禁止」勧告。
バタバタってハンマードリルのことな。
アニキが仕事帰りにウチに寄って工事してくれる筈だったのよ。
氏はハンマードリルがなくてもコンクリートを破壊できそうなスレッジハンマーを持った御仁。
いっぽう10年間デスクワークだったオレ。
適職。
適った職ってのがあるでしょ?
その昔、脱走した奴隷のインディアンが使用人一味に捕まった時に吐いた台詞
「人間は汗をかく様にはできてねぇんだ!」
「オレの体はコンクリートをはつる様にはできてねぇんだ」
オレにとってハツリ作業は、自然と調和しながら生きてきたインディアンへ強いる奴隷労働にも似た受け入れ難いギャップであった。
腹括ってやったった!
やってみるとけっこう面白かった!
昨日だったか?ケンタ(HAZARD)が何かあったら手伝うよとか言ってたな。
呼びゃぁよかった。
「コンクリートを破壊するだけの誰にでも出来る簡単なお仕事です。」つってな。
ははは、できねぇよ!
設備屋さんって、すげぇと思った。
さて、アニキにチェックしてもらいに現場に戻りますか。