いったいいままで何だったの!?
って事がよくある。
体よく騙くらかされていた。
都合の悪いコーヒードリップ方法、水だしコーヒー。
水だしコーヒーってうまいのね。
このドリップ方法がコーヒードリップシーンの中央に躍り出たら、コーヒー器具メーカーは商品が売れなくて食いっぱぐれるわけだよ。
都合が悪い。
都合が悪い。
これだけで済むんだもの。
あっ、魔法瓶もあったほうがいいかな。
いままで
アワヨクバ旨いコーヒーになぁれ!ってんでメーカーの売り口上にのせられコーヒーメーカーを奮発して買い替えたり。
アマゾンのレヴィューを鵜呑みにしてね。
さらには
消耗品のペーパーを買い足したり。
その度に散財。
ティファールだったり、ガス台だったりの器具を使い湯を沸かす。
電気だ、ガスだのエネルギーを使ってね。
これって、いったい何だったの?
挽いたコーヒー豆を一晩冷水に浸して、放ったらかし、そんなんでもっとうまい安定的なクオリティのコーヒーが飲めたなんてよ。
詐欺だろ?
ここんとこ水だしコーヒーが調子良かった。
が、しかし。
すでに何か物足りない。
コーヒーを飲むという目的はエコロジカルにショートカットで達成されてるのにだ。
物足りないのは
コーヒーメーカーのコポコポいうサウンド、
立ち上がる湯気、
やがて部屋に立ちこめるコーヒーの薫り。
なんてものが全く感じられないからだ。
聴覚、視覚、嗅覚。
これらをスキップ。
魔法瓶という密室のなかで事は運ばれる。
抽出は完了するのだ。
無味、無臭、無感動のまま。
オレはと言えばその頃、バカ面で鼻提灯。
午前5時のアラームで現に引き戻されるまで。
ようやく布団から抜け出し魔法瓶からコーヒーをひねり出す。
うまい!
しかし
味気ない!
得てして嗜好品とは結果だけではなくそのプロセスを愉しむ酔狂によって支えられているようである。
このふざけたウォータードリップタワーを買おうか買うまいか目下検討中なのである。