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2012-09-26

保育園へ


夢のある話だよ。



2坪のスペースで狼煙を上げていた。

薄力粉だ。

ピタパンにとどまらず、部屋全体に打ち粉をまぶすかの作業。

帰るコロニャ、携帯もさらさらになってるんだ。


硝煙の向こう、エンゼルが見えた。

今日は火曜日、オレには週末。

明日は休み。

疲れてるのかな?

ス、スー

スライド式の扉がレールに微かな打ち粉を含んだような音で滑った。

エンゼルは澱みの無いまっすぐな目線でかたる
「わたくし、こういうものなんですけど」

(あー、セールス?ケッコーです!幸せを祈らなくてもイイ、原発推進派の新聞もとらない、光ネットもいらねーよ、)

エンゼルは首にかけたプレートを引き寄せてみせた。

プレートには「XX保育園」
とあった。

「はて?」
私と保育園の関係性?
何の御用でしょう?

「子供達にファラフェルをお願い出来ますか?」

「!」

「60個くらいなんですけど、」

「!!」

「時間は・時くらいにお願いしたいんです。前の日に注文すれば間に合いますか?」

「!!!」

もう、書いたね、オレ。
連絡先から、長所、短所、座右の銘、初恋の話まで。赤裸々に。

「ご連絡ください、よろこんでお作りいたします!!」
エンゼルにうっすら粉打った紙切れを手渡した。



注文来るかな?
来て欲しいよ。
パンクスのキッチンから保育園に納品って、実現したらスゴくない?

別にスゴかねぇーか、この問い合わせはオレ的には朝から興奮したんだよ、笑。


「園長先生、例の店に行ってきました。お店のひとはモーターヘッドみたいな音楽でノリノリのキチガイだったので、発注は止めておいたほうがイイと思います。」

おれはINEPSYを爆音で聴きながらパンを打ってた事をすぐに後悔した。