左手の親指とひとさし指を使って、風雨に曝され重みをもった赤いブリーフを拾いあげた。
台風の尾っぽみたいな雲が空に残っている今朝。
ウチのベランダによその家の洗濯物がとび込んで来ていた。
昨夜は外出していた。
なに川っての?
あの哲学堂の傍を流れる川は。
増水して濁流となってた。
「こりゃ、落ちたら死ねる。」と思った。
「ら゛ーーーー」って猛り狂ってんの。
怒流って感じ。
サウンド付きの強風真っ最中。
地面を滑る骨が剥き出しの傘と建築足場の下をくぐる時にはすこしヒヤリとした。
ビルとビルの間を通り抜ける時、そこに殺到した風に傘がめくられ。
それでも木の下には一定のおやすみがあった。
歩けば30分かかる道だけど、この日は強い追い風で15分くらいで帰宅できた。
進行方向に少し飛ばされてたのだろう。
嘘です。
いつもどおり30分かかりました。
自然現象を想定できるなんて思い上がりだと思った夜だった。
コカコーラは好きな企業では無いけど。